競馬ファンが減少したのはなぜ?
1990年代までの日本の競馬人気は絶大でした。1990年前半の武豊騎手はジャニーズアイドル並みの人気を誇り、マスコミは頻繁に彼の特集を組んで人気の恩恵を受けてきた事で知られます。また、武豊がよく騎乗していたオグリキャップは競馬人気の象徴的な存在で、1990年末の有馬記念での大観衆によるオグリコールはスポーツ史に残る名シーンです。その後も裕木奈江など当時の旬の若い女性タレントをCMキャラに起用する戦略が功を奏して若い女性ファンも増え、1990年代後半にかけてはさらに人気が上がりました。
しかし、2000年代に入ると人気は落ち始め、重賞レースの観客数・売上(掛け金総額)は減り続ける一方で、近年関係者の間では競馬ファンの減少が大きな問題になっています。大きな理由として考えられているのはファンの高齢化で、1990年代当時4~50代だった人達が金銭面など様々な事情からもう競馬をやっていないケースが多いようです。さらに武豊のような若くて実力のある人気騎手が一向に登場せず、若い世代のファンも獲得できていないのも要因の一つです。さらに娯楽の多様化も大きいと言われていて、今はスマホの課金ゲームなどで若者は競馬をやっている時と同じようなスリルを年がら年中味わえます。その他、1990年代まで賭け事として競馬を愛していた人達が、株の短期売買やFXのほうに流れている事を原因の一つに挙げる人もいます。